我が家の長男は6歳なので、5歳~11歳の子供を対象とした新型コロナウイルスワクチンの接種券が届きました。
同年齢の子供がワクチンを接種しているニュースを見て他人事ではないと感じ始めた長男は、自分もワクチン打つの?と聞いてきました。
どうしたいかと聞くと、打ちたくないと言われてしまいました。
親の考えとしては、ワクチンは打った方がいいのでは?と思っているので、これから長男とも話し合いをしてみようと思っているところです。
ちょうど悩まれている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は子供のワクチン接種に対する我が家の考え方をご紹介してみようと思います。
結論から言うと、感染そのもの、重症化や後遺症のリスクを抑えるためにワクチンを打っておいた方がいいと考えています。
そのうえで、接種するのは長男なので本人の意思を尊重するべきだと考えています。
どうしてそのように考えたのか、紹介したいと思います。
子供にとってのコロナの危険性
そもそも、新型コロナウイルスが大して危険なものではないのであれば、わざわざ副反応が出るかもしれないワクチンを打つ必要はありません。
子供にとって、どれくらい新型コロナは危険なのでしょうか?
子供の感染者数
なんとなく肌感覚では、昨年まではアクティブに活動する世代(20代~50代)で感染者数が多くて、子供はその世代から感染しているという印象がありました。
実際、2021年3月時点では、未成年の感染者数の割合は全体の10%程度でした。
それが第5派のあたりから20%を超えるようになり、
2022年2月では30%にもなっています。
昨年までとは違って子供たちが危険にさらされているということがわかります。
学校でクラスターが発生している
20歳未満の感染者数が増えているのですが、どこで感染しているのでしょうか?
こちらも2021年2月時点では、クラスター発生数のうち10%程度が学校などでした。
2022年2月ではそれが30%にもなっています。
間違いなく学校で感染するケースが増えているということでしょう。
子供の重症化リスク
たとえ感染したとしても、子供は重症化しない、死亡しないということであれば、それほど心配する必要もないでしょう。
子供が重症化する割合はどの程度でしょうか?
20歳未満で新型コロナに感染していると診断された人のうち重症化した割合は、2021年7~10月で0.05%程度。
話題のオミクロン株の影響はこれでは分かりませんが、大人よりは確かに低めのようです。
新型コロナ後遺症
コロナに感染しても重症化しないなら心配ない!
と言い切れないのが、後遺症の問題。
あまり話題になっていませんが、もし後遺症が残るようであればたとえ軽症であっても感染しない方が良いですね。
20歳未満に特化したデータは見つけられませんでしたが、後遺症としては以下のような物が報告されているようです。
- 嗅覚障害
- 倦怠感
- 味覚障害
- 呼吸困難感
20歳未満でも後遺症を訴える人はいるようなので、要注意ですね。
ワクチンの良いところ
新型コロナウイルスの怖さ、子どもでも対応が必要なことが分かったところで、ワクチンを打つことでどんな良いことがあるのでしょうか?
新型コロナに感染しにくくなる
ワクチンを打つと新型コロナウイルスに対する抗体という物ができて、それがあることで新型コロナウイルスが体の中に入ってきても悪さをしないようにブロックして、感染しにくくなります。
アメリカで5~11歳の子供を対象に実施された試験では、ワクチン接種によって抗体の量が十分に増えていて、効果が期待できます。
また、発症を予防する効果は約90%であったと報告されています。
新型コロナウイルスは変異をすることで少しずつ性質が変わっており、データは変わってくるようです。
3月1日には、ニューヨーク州の衛生当局が実施した調査で、コロナ変異株「オミクロン株」の感染拡大期に5~11歳の感染予防効果が12~17歳よりも大きく劣ったという報道もありました。
比較したうえで劣っているとはいえ、感染予防効果は完全になくなっているわけではないようです。
ワクチンを打たないのと、打つのとを比べると、打った方がまだ感染の予防が期待できます。
感染しても重症化しにくくなる
子どもの重症化の割合はそもそも少なく、0.05%(2,000人に1人)程度のようです。
そのためか、子どもの重症化を防ぐというデータは見つけられませんでした。
アメリカの疾病対策センター(CDC)の調査では、2回ワクチン接種をした子どもの入院を防ぐ効果は74%程度あったとのことです。
重症化しなくても、中等症でも我々素人からすると十分大変な状況に感じるレベルです。
入院を防ぐ効果があったというのは、期待できそうです。
ワクチンを打ったら自由になる??
ワクチンを打ったら人が多いところに出かけても大丈夫、もう感染しない!
というわけではありません。
これまでと大きく行動が変わることはなかなかないでしょう。
ただ、気持ちの上で少し余裕が出てくるかもしれないなと思います。
根拠のない安心感ですが、それはそれで普段の生活の上では大切なことだと思います。
ワクチンの心配なところ
副反応
新型コロナウイルスに対するワクチンは、副反応も結構あります。
5~11歳の子どもに打つワクチンは3分の1の量になっていて、ある程度副反応も少なくなるのかもしれませんが、実際どうでしょうか?
ワクチンを接種した直後の症状では、
- 接種した部分の痛みが70~75%くらい、
- けん怠感が35~40%くらい、
- 頭痛が20~30%くらいなど、
よくありそうな症状がかなりの頻度で見られます。
重い症状の副反応も報告はあるようです。
アメリカで5~11歳の子どもに実際に接種された際のデータでは、870万回接種されたうち、4149件は軽い症状の報告、100件が重い症状の報告だったようです。
重い症状でも多くの場合は発熱やおう吐といったもの。
心筋炎と診断された子どもは11人いたものの、全員が回復したとのこと。
副反応は確かにありますが、副反応によって長期間苦しむようなことはまずないと言ってもよさそうです。
長期的な悪影響
ワクチンができてからまだ何年も経っていないので、10年後20年後に何か悪影響がでないかということは誰にも科学的に完全に否定することはできません。
理屈上は大丈夫そうだとわかっていても、それでも子どもの将来を心配してしまうのが親。
自分はいいけれど、子どもにまだよくわからないものを打っても大丈夫だろうかという不安はとてもよくわかります。
今回のワクチンは特にmRNAワクチンで今までに使われたことがなかった新しい技術を使っているというところも不安材料でしょうか。
mRNAは分解されやすく長期間残らない
細胞の遺伝子のなかに取り込まれるとは考えにくい
万が一取り込まれて悪さをする細胞がでてきたら免疫細胞が対応しそう
ということで、多くの場合は問題にならないと考えています。
もちろん想定の範囲外のことはあるかもしれませんが、コロナに感染してコロナの情報が細胞の中に取り込まれるよりはずっとましではないかと思いました。
子供にも分かりやすい情報元
ワクチンやコロナについて理解したところで、親としての方針は決まっても子供に説明をするのはなかなか難しいですよね。
なにか子供向けの使いやすいものがないかなと思って探してみました。
厚生労働省の資料 5歳から11歳のお子様へ
5歳~11歳のお子様へ 新型コロナワクチン接種についてのお知らせ
漢字もそこそこ出てきますが、小学校で習う漢字が使われているようです。
すべてにフリガナが振ってあるので、ひらがなさえ読めれば自分で読むことはできます。
自分では読めなくても、親が説明するときにこれを見せながら説明してもいいかもしれません。
理化学研究所 YouTube動画(rikenchannel)
第1話 ~新型コロナウイルスとは?~
第4話~重症化のしくみ~
比較的やさしい言葉で紹介してくれています。
子供に特化した内容ではないですが、十分に参考になります。
Yahoo! もっと知りたい新型コロナワクチン
小学生からの質問に答えます 子ども向け・新型コロナワクチンQ&A
漢字も多数使われているので、そのまま子供に読ませることは難しそうですが、親が代わりにこれを読んで、説明してあげるための参考には使えそうです。
小学校低学年向けと高学年向け、それぞれ想定問答が用意されています。
結局どう判断するか?
ここまでさまざまな情報を紹介してきました。
結局のところ、子どもに新型コロナのワクチンを打たせるのか、打たないのか。
最終的な判断は子どもに任せたいと思います。
日本小児科学会が2022年1月19日付で、5~11歳小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方を発表しています。
その中で、ワクチン接種の考え方についてこのように書かれていました。
2)基礎疾患のある子どもへのワクチン接種により、COVID-19の重症化を防ぐことが期待されます。基礎疾患を有する子どもへのワクチン接種については、本人の健康状況をよく把握している主治医と養育者との間で、接種後の体調管理等を事前に相談することが望ましいと考えます。
3)5~11歳の健康な子どもへのワクチン接種は12歳以上の健康な子どもへのワクチン接種と同様に意義があると考えています。健康な子どもへのワクチン接種には、メリット(発症予防等)とデメリット(副反応等)を本人と養育者が十分理解し、接種前・中・後にきめ細やかな対応が必要です。
引用元:公益社団法人 日本小児科学会 5~11歳小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方 2022年3月8日閲覧
つまり、
- もともと病気を持っている子どもには重症化を防ぐことが期待できますよ、
- 健康な子どもへのワクチン接種も意義がありますよ、
- 接種に当たってはしっかり子どもにも理解をしてもらう必要がありますよ
ということですね。
なかなか6歳の子どもに理解をしてもらうのは難しいかもしれませんが、子どもは親が思っているよりもしっかりしているし、賢いように日々感じています。
難しいことではありますが、親はサポートをしながら、子どもにしっかり自分で考えてもらいたいと思います。
以上、参考になれば幸いです。